時を経て美しさの増すもの
素材選びは、時を経るほど美しく、味わいが増していくものを基準としています。
自然素材の壁や無垢の床、そして鉄や真鍮などの金属は、年月とともに表情を変え、奥行きを増していきます。
それは最初から完成されたものではなく、暮らしの中でじっくりと育てていくもの。
毎日の営みのなかで少しずつ変化し、住む人とともに成長していく、そんな存在です。
新建材のように均質で変化のないものも、それはそれで一定の良さがあると思います。
けれども、時間をかけて共に歩み、使い込むほどに深みを増す素材には、手がかかるからこそ生まれる愛着や、触れるたびに感じるぬくもりがあります。
木は呼吸しながら色合いを変え、鉄や真鍮は手の跡を残しながら鈍く輝く。
そうした変化を楽しむことができるのは、「本物」の素材だからこそ。
自然素材ならではのクセや個性さえも、長く使うほどに愛おしさへと変わっていきます。
すべてを高価なもので揃える必要はありません。
大切なのは、それが「本物」であるかどうか。
手に取るたびに心地よく、年月とともに馴染んでいくものを選ぶこと。
そうして丁寧に選び抜かれた素材や道具たちは、住まいに深い味わいをもたらし、日々の暮らしに寄り添いながら、長く大切な存在となっていくでしょう。