家とくらしかた

家族が集まる家。

築10年の比較的新しい一戸建て住宅。
この度、この家を親御さんから若夫婦へ受け継ぐことになりました。
内外ともに損傷等は見受けられなく、建物としてはまだまだ健康な状態でした。
既存の間取りは、東側玄関から廊下と階段をはさんで北にDK、南にリビング、和室という構成。
問題点は、DKとリビングが離れていることにより、家族がバラバラになりやすいこと。
それぞれの部屋でエアコンが必要になり、電気代がかかること。
またDKが寒くて暗い等等。

希望としては、たくさんの光が入り、家族がずっと一緒に入れるような家にしてほしい。
国道からよく目立つ位置にあるため、プライバシーを確保してほしい。
収納場所の整理をしてほしい、とのことでした。

まずは家族が集う場所を設けるために、LDKを一か所にまとめることを提案しました。
南側に配置された既存のリビング、和室、廊下を一部屋にするために不要な間仕切りをとる必要があることから、新たに構造計算をすることにより間取りの変更を可能にし、さらには既存の構造耐力以上の強度を持たせる構造補強を図りました。
南側には国道まで見渡せる広い庭があることから、高木、常緑樹を交えた作庭をおこなうことによりプライバシーの確保、豊かな雰囲気を演出。
ウッドデッキとテラス屋根を設けて縁側をつくり、室内とのつながりを出すことで広がりのある室内空間をデザインしました。

限られた広さなので、少しでも広がりが感じられるように使用材料、色の厳選をしつつ、一つの空間内で作業する、椅子に座る、床に座る、寝転ぶ等の行為が違和感なく行えるように、天井高や床高、仕上げ材を切り替えることによりゆるやかに空間を区切りました。

また、雰囲気を統一することや様々な種類の収納に対応するために家具や流し台は造作しました。
整理収納アドバイザーが収納するものを事前に把握し、その大きさや用途、動線に合わせて引き出し等の位置、収納量を設計。
2列型キッチンにすることで回廊動線がうまれ、大きくなくとも家族みんなで料理が行えるようにしました。

キッチンのすぐ隣には4畳の洗面所。
室内干し、収納を設け、壁仕上げ材には吸湿性が特に高い珪藻土、エコクイーンを左官仕上を施しています。
キッチンの南側にはテラス屋根、目隠しを設けたデッキに物干しを設けたことにより、洗濯、物干し、取り込み、収納の流れがスムーズに行えるよう、家事動線を整えました。

    

限られたスペースでのリノベーションですので、とにかく無駄を省き、家事が行いやすく、家族が一緒に団らんできるように配慮しました。

家のカタチにより、コミュニケーションが増えます。

家族のみんなが無理なく、楽しくいられるように、そのお手伝いをさせていただきました。










基本情報
構造   / 木造2階建て
  主な仕上げ材料
〈内部〉床  / アッシュ無垢フローリング・和紙畳
    壁  / 珪藻土左官仕上
    天井 / 桐無垢板・クロス貼り

    流し台/ タモ造作
    家具 / タモ造作
    照明 / flame
    

建築費用 1000-1500万円代