小さな子どもと暮らすご夫婦が、新しい住まいを構えました。

選んだのは、二上山を望む景色の美しい土地。

周囲には住宅が立ち並ぶけれど、ここにしかない雄大な眺めを、家族の時間の背景にしたい。
その思いから、視線を遮りながらも、空へと視界が広がる二階リビングの住まいが生まれました。

リビングの大きな窓いっぱいに、田んぼの向こうに連なる二上山の稜線。
そこから吹き抜けるやわらかな風が、家じゅうをそっと通り抜けます。
北側に設けたハイサイドライトからは、ふわりと光が落ち、無垢の木と珪藻土の壁が穏やかに照らし出される。

この住まいの中心にあるのは、木のぬくもりに包まれた造作キッチン。
料理好きなご主人が、家族や友人に腕をふるう時も、みんなの笑い声や会話がそばにある。
ダイニングテーブルを隣に配し、煮込み料理の香りが家の隅々まで満ちていく。
一日の終わりに、ふっと力が抜けるような、あたたかな時間がそこに流れます。

そして、小さなお子さんのために設けた、床を一段下げたキッズスペース。
ゆるやかな段差が、遊び場とくつろぎの場をそっと分けながら、どちらも一つながり。
おもちゃを広げ、夢中で遊ぶ子どもを見守りながら、大人も安心して寛ぐことができる。
やがて子どもが成長すれば、そこは勉強机を置く学びの場所になるかもしれない。
昼下がりには、ごろんと横になり、静かな時間を過ごす場にもなるでしょう。

住まいは、家族の成長とともに表情を変え、いつでもそっと寄り添ってくれるもの。

小さな住まいだけれど、光と風が巡り、のびやかに暮らす自由があります。
そしてここに、家族の物語が積み重なっていく。

この住まいが、やがて大きくなる君にとって、
「ただいま」と帰りたくなる、大切なふるさとになりますように。