橋本の家
元気いっぱいの男の子3人が駆け回る、にぎやかな二世帯住宅。
代々受け継がれてきた大切な住まいが、建て替えにより、新たなかたちへと息を吹き返しました。
駅近くの街の一角。
細い路地を抜けると、ふっと空気が和らぐように、静かにその家は佇んでいます。
異なる世帯、それぞれの暮らし方。
朝早く出かける人、ゆっくり過ごす人、にぎやかな子どもたち。
違う時間が流れていても、お互いを思いやりながら、心地よく暮らせるように。
家の中をぐるりと巡る回廊のような動線を描きました。
すれ違うたびに「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」と、自然と声を掛け合える。
けれど、ひとりになりたい時にはそっと距離をとれる。
住まい手それぞれの「ちょうどいい距離感」を叶えるために、必要な場所に必要なだけ収納を組み込むことで、モノが散らからず、暮らしの流れが澱みなく整います。
集う場所には、余分なものを置かず、ただ家族の気配を感じられるように。
すっきりとしていながらも、肩の力がふっと抜けるような、あたたかな居場所を目指しました。
リビングには、無垢の栗の木と白い珪藻土の壁。
時間とともに変化する光がやわらかく反射し、住まい全体を包み込みます。
造作の木製建具や家具が空間に統一感をもたらし、どれだけ時が経ち、物が増えても、そこにある暮らしを静かに受け止めてくれる。
今は、子どもたちの弾む声が響き、家じゅうを駆け回るにぎやかな毎日。
やがて子どもたちは成長し、巣立っていく日が来るのでしょう。
にぎやかな時も、静かな時も。
この住まいは変わらず、家族を包み続ける。
暮らしの時間が折り重なり、家族それぞれの物語を紡いでいく。
そんな想いを込めて、この住まいをつくりました。