薪ストーブ
火のゆらぎ、心のやすらぎ。
火を囲むという行為がなぜこれほどまでに心を揺さぶるのか。
いくつになっても、人は火というものに心を惹かれます。
昔から営みの中心には火がありました。
料理、あかり、暖をとる。
その感覚が今もなお人の心に根付いているのだと思います。
電気により生活の仕方が変わった今、火を使うことは少なくなりました。
昔の生活を覗くと、便利な時代になったモンだなあと思います。
スイッチひとつで大概のことができる、いや出来てしまう。
無味無臭。
こんな時代だからこそ、ヒトテマをかけてじっくりと向き合うという時間が尊く感じます。
便利さを求めてひた走ってきたけれどそれはもう飽和しており、時代と共に豊かさの定義も変わってきたのでしょう。
じっくりと火と向き合う。
薪を焚べ、焚き付け材にさっと火をつける。
やがて大きくなっていくその炎に見惚れ、やがて芯から温まる体に安心感を覚える。
余計な音楽はいらない。
ただ火を見つめ、火の音に耳を傾ける。
これがどれだけ幸せなことか。
薪ストーブを持つということはとても贅沢なことです。
それは何物にも変え難い時間を与えてくれる。
ただ良いことばかりではなく、薪の調達や保管場所の問題、重労働である薪割り等、解決しなければいけないことは沢山あります。
しかし火のある生活というのは、その問題すらも小さなことだと思わせてくれる魅力が確かにあります。
中村好文作
NAYAN76
火が灯るその様がなんとも絵になる。