日々の綴りごと

年の暮れにふと暮らしについて考えてみた

朝日が差し込む窓辺で、温かいコーヒーを飲む。
そんなささやかな幸せが、実は暮らしの真髄なのかもしれません。

家づくりって、ついつい見栄えや性能にこだわりがちですよね。
でも本当に大切なのは、そこでの暮らしぶり。
高価な設備を整えることじゃないと思うんです。

部屋の空気が動く音に耳を澄ませば、季節の移ろいが感じられる。
畳の香りが漂う和室で深呼吸すると、なんだかホッとする。
キッチンからは、家族の笑い声が聞こえてくる。

素敵な暮らしって、意外とシンプルなものかもしれません。

「特別」を追い求めすぎると、かえって窮屈になってしまうような気がします。
建築家の作品のような家より、肩の力が抜ける場所。
それこそが僕にとって理想的な住まいだと思います。

よく見かけるのは、完璧を求めすぎる家づくり。
でも暮らしに寄り添う家は、少しずつ育っていくもの。
新築の輝きは、時とともに深みのある味わいへと変わっていきます。

たとえば、年月を重ねた無垢の床、真鍮のドアハンドル。
それらは使い込むほどに艶が出て、独特の表情を見せてくれるんです。

大切なのは、建てた時からずっと、「ここに帰ってきたい」と思える場所であること。

家族の歴史が刻まれていく。
思い出が染み込んでいく。
そんな住まいこそが、本当の意味で豊かな暮らしを育んでいくのではないでしょうか。

時には、夕暮れ時のリビングで、ただぼんやりと過ごすのも素敵です。
窓の外では季節の風が通り過ぎ、部屋の中には穏やかな空気が流れている。
こうした何気ない瞬間の積み重ねが、かけがえのない日々を紡いでいく。
それが、私の考える理想の住まいなんだと思います。


こうして肩の力を抜いて考えてみると、スッと言葉がでてきます。
日々の忙しさにかまけて、自分の声に耳を傾けることを後回しにしていたのでしょう。
今はなんだかスッキリした気分です。

みなさま今年もお疲れ様でした。
また来年、素敵な一年にしていきましょう。

では、また。