日々の綴りごと

イタリア旅 フィレンツェ

この度、イタリアのフィレンツェ、ヴェローナ、パドヴァ、ヴェネツィアという4つの都市を巡り、美術と建築を五感で体験する旅に出た。
今回の旅の目的は、日本の枠を超えて世界に触れ、新たな建築観や美意識を身につけること。
また今回の旅では、敬愛する建築家 中村好文さんとご一緒する機会に恵まれた。
好文さんの建築に対する想いや、実際に建築を見て感じたことなどを伺うことができ、貴重な経験となった。
この旅で見たイタリアの景色を少しでも皆様に共有したく、3回に分けて訪れた都市の旅を紹介していこうと思う。

まずはフィレンツェから。


--------------


羽田空港を飛び立ち、ローマを経由して約15時間の空の旅。
フィレンツェに到着したのはすでに夜もふけていたが、空港を出た瞬間、現実離れした光景が広がり、旅の疲れなどどこへやら。
空港からイタリアの街並みを興味津々で眺めながら移動し、ホテルへ。
ドアを開けると、そこには日本の常識を覆すような異国の雰囲気が。
旅の始まりから、すっかりその世界に引き込まれていった。








「ドゥオモ大聖堂」
正式名称は“サンタ・マリア・デルフィオーレ”
花の聖母マリアを意味しており、その建造には140年以上もの年月が費やされている。








「ウフィツィ美術館」
ルネサンス芸術の宝庫。
16世紀にフィレンツェを支配していたメディチ家が建てた美術館である。














ボッティチェリのヴィーナスの誕生






「サン・マルコ修道院」
ルネサンス建築家ミケロッツォが設計し、メディチ家の支援を受けて1437年に建設が始まり、1443年に完成。
修道院内部にはフラ・アンジェリコが描いた数多くのフレスコ画が施され、祈りと瞑想の場として静寂が保たれている。














「捨て子修道院」
世界初の孤児院として知られる施設。15世紀初頭、孤児や捨て子を保護するため、建築家フィリッポ・ブルネレスキが設計し、1419年に建設が始まった。
この建物はルネサンス建築の象徴的な作品で、調和の取れた柱廊とシンプルな美しさが特徴である。
正面のメダリオンには捨て子を象徴する赤ん坊の陶製装飾が施され、ロッビア工房による繊細なデザインが印象的。












「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」
フィレンツェにあるドミニコ会の教会で、14世紀に完成。
白と緑の大理石で飾られた美しいファサードは、ルネサンス期の建築家レオン・バッティスタ・アルベルティによるもの。
内部には、マザッチオの革新的なフレスコ画「三位一体」や、ギルランダイオ、ブロンズィーノらによる壁画が残されており、宗教美術の宝庫とされている。
















緑の回廊








「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」
13世紀から続く世界最古の薬局の一つである。
ルネサンス様式の美しい建物内には、木製の調度品や大理石のカウンターなどが配置され、当時の薬局の様子を彷彿とさせる。
天井画や壁画など、芸術的な装飾も特徴で、薬局でありながらさながら美術館のような雰囲気。














「中央市場」
















「フィレンツェのとある店」













--------------


フィレンツェ、芸術と歴史が息づく街での旅は、まさに目覚めのようなものだった。
ルネサンスの巨匠たちの作品に触れ、荘厳な大聖堂に心を打たれ、日常を忘れさせてくれるような、そんな貴重な体験の数々。
また建築に関しても、日本のそれとは在り方から違う存在に大いに刺激を受けた。

次は、恋人の都として知られるヴェローナ、そしてこの旅の意中の建築があるパドヴァへと足を運ぶ。
シェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』の舞台となった美しい街並みを散策し、新たな発見と感動を求めて。