住まいとは、暮らしの風景をつくるもの
住まいには、暮らす人の習慣や大切にしているものが、ゆっくりと染み込んでいきます。
長く使い続けた道具が手に馴染むように、住まいもまた、暮らしとともに育っていくものではないでしょうか。
はじめから完成されたものではなく、日々の営みの中で、少しずつその人らしさがにじみ出てくるものだと思います。
気がつけば、住まいは「家」ではなく「居場所」になっていきます。
ふと手を伸ばせば、いつもの場所に置かれたカップ。
窓辺に揺れるカーテンが、午後のやさしい光を運んでくれる。
お気に入りの椅子に腰を下ろせば、心地よい風の音が聞こえてくる。
そんな何気ないひとつひとつが、暮らしをやさしく包み込んでくれる。
私たちは、そんな住まいをつくりたいと思っています。
肩の力を抜いて、心からくつろげる場所。
そっと暮らしに寄り添い、毎日の営みをやさしく見守ってくれる存在。
家を建てるということは、その人らしい暮らしの風景を紡いでいくこと なのだと思います。
そしてその風景が、住まい手とともに育ち、やがてかけがえのない居場所になっていくことを願っています。