心を澄まし、住まいの在り方を問う
私たちは、住宅を「建築家の作品」だとは思っていません。
住まいはそこに暮らす人のためのものだと考えているので、そこに住む人たちのことが大いに気になります。
どんな暮らしをしてきたのか、何を大切にしているのか。
言葉にできない気持ちや、要望書には書けない本当の願いがあるはずだと感じています。
「こんな家にしたい」という要望は、できるだけ叶えたい。
でも、それだけではなく、その言葉の裏にある想いや、気づいていない潜在的な気持ちに応えたい。
多くの人は「自分にとって本当に良い住まい」がどんなものか、はっきりとはわかっていないことが多いような気がするからです。
結局のところ、本当にいい住まいになるかどうかは、要望の行間を読み取る感覚や想像力にかかっている気がしています。
そうした気持ちを見つけ出し、住まいというかたちにするのは、想像力や直感が問われる難しい仕事です。
だからこそ、そこにやりがいを感じています。
「きっと、あなたが住みたかったのはこういう家ですね。」
そう言葉にしたとき、住まい手が心から頷いてくれるような家をつくりたい。
そう思っています。
その人らしい暮らしが、ゆっくりと根づき、静かに心地よさが満ちていく。
そうして、やがてそれが街の風景の一部になっていく。
そんな住まいを共につくりたいと考えています。