日々の綴りごと

素材について、再考

私たちは、住まいに使う素材を選ぶとき、長く使われてきた普遍的なものに目を向けています。

それは、変化しないものを求めるというより、時間の流れとともに姿を変えながら、暮らしに寄り添ってくれるものを選ぶ。
このような考え方に近いのかもしれません。

素材は、日々の生活の中で触れられ、使われ、少しずつその表情を深めていきます。
古くなることは、価値が失われることではなく、時間を重ねることで、静かに味わいが増していく過程であってほしい。
そうした視点を、私たちは大切にしています。

手に触れたときの感触や、伝わってくる温度、表面のわずかな起伏。
それらは言葉で説明する前に、身体が自然に受け取っている感覚です。
その感覚が、素材への信頼につながっていくのだと思います。

木や土、石、紙。
どれも決して特別な素材ではありませんが、人の暮らしのすぐ近くで長い時間をともにしてきました。
使われる場所や人によって、同じ素材でも異なる表情を見せてくれるところに大きな魅力があります。

住まいの良さは、完成したときに決まるものではありません。
暮らしが始まり、光や風を受けながら、日々の時間が積み重なっていく中で、少しずつ実感されていくものだと私たちは考えています。