日々の綴りごと

季節の中に身を置く

細い道を抜けた先で、ふいに視界がひらけることがあります。
広い自然の中から山あいへと分け入り、また、開けた場所から静かな場所へと移っていく。
その変化の中で、心がゆっくりとほどけていく瞬間があります。

光は、ただ明るさをもたらすものではなく、空間の表情をつくり出す存在のように感じています。
強く差し込む場所と、あえて光を抑えた場所。
その対比があってこそ、そこに「在る」ことの確かさが浮かび上がってきます。

暮らしの豊かさは、外の存在を意識するところから始まります。
室内ですべてを完結させようとしないこと。
あえて残した余白が、土の匂いや風の流れ、やわらかな光を静かに住まいの中へと招き入れてくれます。

秋には葉が落ち、冬には枝の輪郭があらわになる。
寒さは、ただ避けるものではなく、次の季節を迎えるための、ひとつの風情でもあります。
寒さを感じること自体が、季節の移ろいを生きている証なのかもしれません。

外を遠ざけるのではなく、外と向き合うこと。
その意識が、暮らしに奥行きを与え、心の中に、静かな余白をつくっていくのだと思います。